運動中にお茶を飲んでもいい?水・麦茶・スポーツドリンクの選び方

運動時の飲み物は、運動の長さだけでなく、暑さ・運動の強さ・汗の量に合わせて選びます。涼しい環境での軽い運動なら水や無糖のお茶が候補になります。汗を多くかく運動では、失う塩分や必要なエネルギーも考えて選びましょう。

情報の基準日:

公園のベンチに置いたお茶と水のボトル、タオル
飲み物は休憩中に取り出しやすい場所へ。屋外で持ち歩く間も、直射日光や高温を避けましょう。
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短い散歩と、汗を多くかく運動で使い分ける

健康な成人が飲み物を選ぶときの目安
運動の状況飲み物の候補確認すること
涼しい環境で短い散歩や軽い体操水、無糖の麦茶など飲みやすさと、必要なときに飲めること。運動したからといって糖分入り飲料を追加する必要はありません。
暑い日や汗が多くなる運動水分に加え、塩分を補える飲料など食塩相当量を確認。飲み物だけに頼らず、休憩と体を冷やす機会を設けます。
長く続ける、強度の高い運動糖質・電解質を含むスポーツドリンクなど発汗量、食事や補食、飲料から摂る糖質を合わせて考えます。
夜の軽い運動後水、カフェインゼロ表示の麦茶など眠りや動悸などへの影響が気になるならカフェイン表示も確認します。

同じ30分でも、冷房のある室内での体操と、蒸し暑い屋外の坂道では汗の量が違います。「何分以上なら必ずスポーツドリンク」という時間だけの区切りにせず、その日の環境と体調も確認してください。

日本スポーツ協会の熱中症予防5ヶ条では、暑いときは水分とともに0.1〜0.2%程度の塩分も補給するよう案内しています。これは、すべての軽い運動で同じ量を飲むという指示ではありません。

「ミネラル入り麦茶」とスポーツドリンクは同じ?

麦茶にもミネラルを含む商品はありますが、スポーツドリンクと同じ量の糖質・塩分が入っているわけではありません。商品名の「ミネラル」だけで選ばず、栄養成分表示の単位まで確認しましょう。

市販の2商品を500ml分で比べた表示値
商品エネルギー炭水化物食塩相当量
伊藤園 健康ミネラルむぎ茶 PET650mlの500ml分0kcal0g約0.15g
ポカリスエット PET500mlの全量125kcal31g0.60g

出典:伊藤園の商品表示、大塚製薬の商品表示。麦茶は650ml当たり食塩相当量0.2gを500÷650倍、ポカリスエットは100ml当たりの各値を5倍した換算です。表示の丸めを含みます。容量や製品が違えば値も変わるため、手元の容器表示を確認してください。

この麦茶の食塩相当量は100ml換算で約0.031gです。汗を多くかくときに、ミネラル入りという名前だけで塩分の補給まで十分と判断することはできません。家庭で淹れた麦茶も、この商品の成分と同じとは限りません。

一方、スポーツドリンクの糖質は、長く続ける運動ではエネルギー源になります。軽い散歩の後にも毎回500mlを追加して飲むなら、上記製品では125kcalが食事などに加わります。炭水化物31gをそのまま「砂糖31g」と読み替えず、原材料と運動中に必要なエネルギーも合わせて考えましょう。

スポーツドリンクは薄める?

ポカリスエットは、メーカーが薄めずに飲むよう案内しています。水で薄めると糖分だけでなく電解質の濃度も変わります。粉末も袋に指定された水量で作ってください。甘さが気になる軽い運動では、水や無糖茶を選ぶ方法があります。

カフェイン入りのお茶は必ず脱水につながる?

カフェインには利尿作用がありますが、「お茶を飲むと必ず水分不足になる」と一律には言えません。2011年の無作為化比較試験では、健康で安静にしている成人男性21人を対象に、紅茶と同じ量の水を比べ、水分状態をみる血液・尿の指標に有意な差は認められませんでした。

試験の紅茶は240mlを4杯または6杯で、カフェインは168mgまたは252mg、少量の牛乳入りという条件です。暑い場所で運動中の人や、妊娠中の人など、すべての人に同じ結果や安全量を示すものではありません。

水分補給用のお茶は、飲み慣れた濃さで選びましょう。カフェインで動悸・不眠・吐き気などが出る人や夜の運動では、水やカフェインゼロ表示のお茶が選択肢になります。高カフェインのエナジードリンクを、お茶やスポーツドリンクと同じ感覚で重ねて飲むことは避けてください。

量の表示や種類を確かめるなら「お茶のカフェイン量と飲む時間帯」「カフェインを含まないお茶の選び方」へ。緑茶やルイボスティーも、原材料と淹れ方によって選べます。

運動前・運動中・運動後の4つの確認

  1. 出発前に暑さと体調を確認し、運動の強さ・休憩場所・飲み物を補給できる場所を決める。発熱や下痢など体調不良の日は無理をしない。
  2. 必要な飲み物を用意し、栄養成分表示を「100ml当たり」か「1本当たり」かまで読む。飲み残したお茶を継ぎ足して持参しない。
  3. 運動中も休憩を取り、少量ずつこまめに飲む。「持参した分を飲み切る」ために、必要以上の水分を一度に押し込まない。
  4. 運動後は体調と発汗の程度を確認する。体重を比較するときは同じ体重計・できるだけ同じ乾いた服装にし、汗による一時的な体重減少を脂肪の減少と考えない。

日本スポーツ協会は、運動による体重減少が2%を超えないよう水分を補給することを目安にしています。体重60kgなら2%は1.2kgです。ここまで減るのを待ってよいという意味ではなく、1.2Lを一度に飲む指示でもありません。食事・排尿・汗を含んだ衣服でも測定値は変わります。

米国CDCの暑熱作業向け資料でも、少量ずつの補給と、飲み過ぎで血液中の塩分濃度が低くなる危険を説明しています。運動時間・発汗量・体格・持病で必要量は異なります。ボトルの本数だけで必要量を決めず、飲んだ量と汗の程度、体調を確かめながら補給してください。

手作りのお茶を持参するときの保存

容器を洗浄して、飲み物を高温の車内や直射日光の当たる場所に放置しないでください。伊藤園は、ティーバッグなどで作った飲料について、口をつけるマイボトルや常温での持ち歩きでは8時間を目安に早めに飲むよう案内しています。8時間まで安全が保証されるという意味ではありません。商品の表示があればそちらを優先し、飲み残しは翌日に持ち越さないようにしましょう。

お茶にスポーツドリンクやはちみつを混ぜても、糖質・電解質の量が分からなければ運動用の補給量は判断できません。飲み物は製品の指定どおりに用意し、持ち歩く容器もその飲料に対応しているかを確認してください。

体調が悪いときは、お茶を替えて運動を続けない

めまい、頭痛、吐き気、強いだるさなど、熱中症が疑われる症状が出たら運動を止め、涼しい場所へ移動して体を冷やしてください。反応がおかしい、自分で水を飲めない、体に力が入らず動けない場合は、ためらわず119番へ。意識がはっきりしない人に無理に飲ませないでください。

経口補水液は、普段のスポーツドリンクの代わりとして毎回飲むものではありません。消費者庁の案内に沿って、必要性を医師・薬剤師などに相談し、製品の対象と使用方法を確認してください。

腎臓・心臓の病気、糖尿病などで水分・塩分・糖質の制限を受けている方は、この一般的な目安より治療上の指示を優先してください。妊娠中・授乳中や服薬中も、運動と飲み物の種類・量を主治医などに確認しましょう。

お茶の原材料やカフェインも比較する

緑茶の淹れ方とカフェインの確認点、ルイボスティーの種類と選び方では、茶葉やブレンドの表示を確かめられます。生活シーンで探すなら「目的に合わせたお茶選び」へ。